八海山登山口の3社合同で初の祈願祭

霊峰八海山9合目にある千本檜小屋隣接の神殿で6日、大倉口の坂本神社、大崎口の八海山尊神社、城内口の八海山神社の3つの里宮の神職(禰宜)をはじめ14人が参加して山頂祭が行われた。

3社の禰宜による神事 =7月6日、千本檜小屋神殿=撮影:霊峰八海山を囲む会(桐生好雄さん)
前列左から、八海山尊神社の山田久仁彦さん、八海山神社の村山隆家さん、八海山坂本神社の上村夏生さん、諏訪神社の解良伸裕さん(伶人)ほか参加者

各神社では、山開きとして登山道開きの祈願祭が行われているが、合同での祈願祭は行われておらず今回、初めての試みとして3社の禰宜を務める八海神社・村山隆家さん(34)、八海山尊神社・山田久仁彦さん(41)、坂本神社・上村夏生さん(27)と伶人(=雅楽を奏する神職燕市、諏訪神社・解良伸裕さん(38)ほか参加者と共に八海山に登り、八海山の登山道安全と繁栄を祈った。

同日朝は、前日の夜から朝方にかけての雷雨で、雷注意報が継続するなかロープウェイ山麓駅を出発。千本檜小屋神殿を目指した一行は無事に到着。祭典修了後には、雲も晴れ始め、爽やかな風と平野を一望する景色が広がった。

9合目の千本檜小屋を目指す参加者一行=八海山ロープウェイ遥拝所

八海神社の村山隆家さんは「多くの人々が目にする八海山ですが、どうしても何かきっかけが無いと登山まではしないもの。お山をより身近に感じられるように、このようなきっかけ作りを今後も大切にし、継続していきたい」と話している。

(雪国新聞 7月19日掲載)

茅の輪をくぐり穢れを清め祓う            八海山尊神社

八海山大崎口の御山開きが1日、南魚沼市大崎の八海山尊神社で行われ、信者や参拝で訪れた人たちが、神社前に設けられた「茅の輪」をくぐり、無病息災を祈った。ホラ貝の音が響き渡ると装束の先達(=熟練した山伏)と呼ばれる案内者が、88段の大石段前のしめ縄を断ち、一般参拝者らも後に続いて石段を昇り、神前の茅の輪を8の字にくぐりながら厄を祓い、登山者の安全や無病息災などを祈った。

宮司、先達に続き一般参拝者も無病息災などを祈った=7月1日、南魚沼市大崎、八海山尊神社

茅(かや)で作られた直径約2㍍余りの茅の輪をくぐる「茅の輪くぐり」は、同神社でもともと旧暦の6月30日の夏越(なごし)の祭に疫病退散を祈願して執り行われたと言い伝えられているが時期が重なることから7月1日の「お山開き」に、一年の厄を祓うものとして行われるようになったという。また、9月1日には、八朔(はっさく)の祭という、開山中の無事安全を神に感謝して五穀豊穣を祈る「閉山式」が行われる。この日、茅の輪くぐりを初めて体験した南魚沼市塩沢の江口絢子さん(40)は「今日、仕事が休みで、たまたま神社を訪れ、茅の輪くぐりをさせていただいた。地元にいながら、このような祭事があることも知らなかったが今日は、日頃のストレスも解消でき、厄も祓う事ができたので来て本当によかった」と笑顔で話していた。

(雪国新聞 7月12日掲載)

熱さこらえ火渡り 八海山城内口山開き

南魚沼市山口の八海神社と霊場で30日、恒例の「お山開き」が行われ、霊場では、無病息災などを願う「火渡り」では多くの市民や県内外からの参拝者や観光客らが荒行に挑戦した。

行者に続いて一般参拝者も熱さをこらえ火渡りに挑戦=6月30日、八海神社下霊場

霊峰・八海山(1778㍍)は、開山1200年の歴史を持つ越後最大の山岳信仰の山として山岳信の霊場として人々に崇拝されてきた。麓の登山口には、大倉口の坂本神社、大崎口の八海山尊神社、城内口の八海山神社の3つの里宮がありそれぞれの神社で無病息災などを願う行事「火渡り」が行われている。

この日、霊場中央に積まれた杉の葉や願い事が書かれた護摩木に点火され、炎が燃え尽きた火床を行者が祈祷しながら渡り終えると一般参拝者も手を合わせ素足で渡り無病息災や家内安全、交通安全などを祈った。引き続き、福餅まきも行われ、櫓の周りに集まった参拝者は多くの福を授かろうと、懸命に手を伸ばしたり、かぶっていた帽子を広げる姿も見られた。

祈願成就を祈り巫女による奉納舞も披露

火渡りに挑戦した六日町観光協会長の青野広明さん(71)は「無病息災などを祈る火渡り。何度、経験しても渡る直前は、緊張する。今年もあと半年、自身も身を引き締めて無病息災で頑張りたい」と話していた。

少しでも多く運をつかもうと撒かれる餅に必死に手を伸ばす参拝者

(雪国新聞 7月12日掲載)

みんなで笑って元気に 笑いヨガ

若井ときさんの指導で輪になり、ひたすら笑い、笑いながらハイタッチ=6月17日、南魚沼市福祉センターしらゆり

南魚沼市小栗山、南魚沼市福祉センターしらゆりで17日、「しゃべり場お六」イベントデーで心も体も脳も元気にする「笑いヨガ」に参加者約30人が挑戦した。同福祉センターでは、住民自らが自主的、自発的に企画、運営することで高齢者、障がい者、子育て家庭の仲間づくり、社会的孤立感の解消、健康の維持向上などを図り、安心して暮らせる居場所づくりを目指し、誰もが気軽に安心して自由に参加できる「定期型お茶の間サロン『しゃべり場お六』」を毎週月曜に開いている。また、月に1回「イベントデー」として様々な物作り体験や健康体操なども行われている。

この日のイベント、「笑いヨガ」は、地域で講座や講演活動を行う、南魚沼市五日町の笑いヨガティーチャー、若井ときさん(68)ら4人が、日常生活のなかで笑うことの大切さや効能などを解説。その後、参加者は輪になって童心にかえって大きな声で笑いながら、手拍子、かけ声、深呼吸などを組み合わせた健康体操「笑いヨガ」に汗を流した。

南魚沼市君沢の貝瀬文枝さん(74)は「普段から仲間と歌い、施設などを訪問し、歌う活動をしながら健康に暮らしている。今日、初めて「笑いヨガ」を体験し、健康には笑うことの大切さを実感できたし、貴重な体験をさせていただいた」と話していた。

 「しゃべり場お六」の問い合わせは、社会福祉協議会 電話773―6911。

(雪国新聞 6月28日掲載)

 

 

花岡山を美しい里山に  関興寺で桜の植樹祭

伊藤園「わたしの街の未来の桜プロジェクト」とコラボ

株式会社伊藤園(本庄大介社長)は、全国で行っている桜の植樹・保全活動「わたしの街の未来の桜」プロジェクトの一環として、南魚沼市上野の関興寺で地域住民、檀家、関係者らがシダレザクラ1本、ソメイヨシノ6本の記念植樹を行った。

石打地区まちづくり協議会の清水明事務局長、南魚沼市観光協会の南雲武士会長、林茂男市長、伊藤園上越地区営業部の経澤箕己男部長、杉岡明全住職(左から)=5月25日、関興寺

伊藤園では、2019年2月に「お~いお茶」発売30周年を記念し、「日本の春の象徴として古来より愛されてきた桜を未来につなぎ、咲かせ続けたい」という願いを込め、公益財団法人日本さくらの会と協同して全国で桜の植樹・保全活動を行っている。

きょうだい3人が力を合わせてソメイヨシノの植樹に挑戦

この日、境内では関興寺米のおにぎり、味噌なめたか…の関興寺汁などが振る舞われ、沼田市の「薄根ふるさと太鼓」のパフォーマンスに続いて、杉岡明全住職、伊藤園の経澤部長、林茂男市長らが記念植樹式を行い、一般参加者による植樹が行われた。きょうだい3人で参加した石打小学校6年の林響さん(11)、3年の林旭さん(8)、保育園年長の林陽彩さん(5)は「桜を植える貴重な体験ができてうれしかったし、桜が咲くのが楽しみ」と笑顔で話していた=写真=。

杉岡住職は「市のふるさと里山再生整備事業をうけ『花岡山夢プロジェクト』の会を立ち上げ様々な整備事業を行っている。今日は、皆様のおかげで活動の第1弾となる植樹祭ができたことに感謝。植樹に参加した子どもたちが大きくなった頃にはもっと美しい景色となるよう、未来に希望が持てる花岡山にするためにも地域の皆様や南魚沼を愛する人々の力をお借りしながら今後も努力したい」と意気込む。

「石庭を眺め、心を癒やしていただきたい」と語る住職=京都、龍安寺の石庭より大きい幅30m×奥行き10mの関興寺石庭

(雪国新聞6月7日掲載)

法音寺平成蔵の17作品を初蔵出し トミオカホワイト美術館

南魚沼市上薬師堂のトミオカホワイト美術館で「南魚沼の画家展〜繁城山法音寺 平成蔵収納作品より〜」が開催され、19日の「作品解説会」では、展示17作品のうち作家6人が自ら解説し、ほかの作品については南魚美術協会顧問の永井昭司さん(88)、同協会副会長の門井直子さん(52)が解説。訪れた市民や美術愛好家らは各作家の解説に熱心に耳を傾けていた。

作品解説を熱心に聞き入る市民や美術愛好家たち=5月19日、「南魚沼の画家展」作品解説会

南魚沼市藤原の繁城山法音寺には、「平成蔵」と名付けられた蔵がある。法音寺第75世、前住職の鈴木快秀さん(80)=写真=が「郷士で育まれた芸術を後世に残し、その作品を多くの方に見ていただきたい」との想いから2019年、同寺に近い檀家にあった土蔵を譲り受けて境内に移転し、絵画保存に適した万全な環境に改修して平成蔵と名付けた。鈴木さんは、この想いを南魚沼市、湯沢町で活動する南魚美術協会員らに伝えたところ、17人の画家から賛同を得られ、絵画325点が平成蔵に収納された。

繁城山法音寺第75世、鈴木快秀さん

19日の作品解説会で鈴木さんは「市制20周年記念・初蔵出し作品展が開催できたのは、ご理解とご協力をいただいた皆様をはじめ永井昭司先生や同美術館スタッフのおかげと心より感謝している」と話し、同美術館の角田由美子さん(48)も「地域で生まれた素晴らしい作品を地域の皆様に観ていただきたい。今回が第1回目となる『蔵出し展』。機会があれば、次回も開催できればと思う」と話している。この平成蔵収納の17人の作品(洋画16点、日本画1点)の初蔵出しとなる同展は、南魚沼市市制施行20周年記念として、富岡惣一郎の作品と共に6月18日まで、展示されている。問い合わせは、トミオカホワイト美術館、電話025(775)3646まで。

(雪国新聞 5月31日掲載)

顔が見えて親しめる身近な作品展 六日町美術協会展

南魚沼市の六日町美術協会(畔上晃会長)は4月28、29日の2日間、「第30回六日町美術協会展」を南魚沼市民会館多目的ホールで開催した。会場には、同協会所属の会員27人による絵画、彫刻、書道、写真の作品40点が展示され、2日間で約200人の来場者が力作を堪能した。

南魚沼市五日町の書道家、佐藤海雲さん(73)による「実技講習会」が28日に行われ、用具などの選び方から練習方法までを伝授した。佐藤さんは「古代の書道家たちの文字をお手本に観て書く『臨書(りんしょ)』。何度も臨書を重ね、手本を見ないで記憶を頼りに臨書を練習する『背臨(はいりん)』。そして、背臨で身に着けた書風を自分自身のものとし、作品にも応用していく。書道では、とにかく繰り返し練習する事が大切である」と話した。また、27日午後からは、各部門の「作品合評会」も行われ、市民や美術愛好家らが各講師の話に聞き入っていた。

来場者の質問に笑顔で応える県展無鑑査・毎日書道展漢字部審査会員の佐藤海雲さん=4月28日、南魚沼市民会館多目的ホール

同美術協会副会長で南魚沼市藤原の法音寺前住職、鈴木快秀(大嘉)さん(79)は「六日町美術協会展は、審査などは行わず、市内の美術愛好家、作家の皆様が気軽に出展出来る『顔が見えて親しめる身近な作品展』である。同展が30回を迎えることが出来たのは、多くの皆様や地元企業のご理解とご支援のおかげであり、心より感謝している」と話していた。

(雪国新聞 5月17日掲載)