
南魚沼市大里の一宮神社で8日、「大里一宮神社春季大祭」が開催された。南魚沼に春の訪れを告げる風物詩は「農具市」と呼ばれ毎年、3月12日に開催してきたが今年から、3月の第2土曜日の開催となった。江戸時代から、百姓の神、農作の神として信仰を集め五穀豊穣を祈願するために近隣農民が参拝の際に持ち寄った農作物や農具を物々交換のような形で売買するようになったといわれている。市が盛んになった明治以降には農具などを販売する露店が100軒以上も出店したという。しかし近年は、農具類を販売する露店は時代とともに減少し、飲食、植木、工芸品などの露店が多く出店するようになった。



この日は、境内やその周辺に33店の露店が出店。神社境内には1968年から、ザル、カゴ、カサなどを販売している小千谷市船岡の荒物屋いなばやの星野輝二さん(74)が今年も出店。星野さんは「売っている品物は在庫品で、これらが無くなれば、もう作る人がいないので販売は続けられないし、私自身も最近は病気がちだし、あと何年つづけられるかなぁ」と話していた=写真=。地元をはじめ県内外からの参拝者や買い物客のほか写真愛好家や観光客も訪れ、春を告げる魚沼の風物詩を撮影しようと盛んにシャッターを切る姿が見られた。南魚沼市大木六の荒川茉美子さん(38)は「南魚沼の出身ではない私は、近くに住んでいながら今日初めて、次男の怜慈(4)と来ました。この周辺には昔からの伝統行事やお祭りのほか自然も豊かで素晴らしいところであることを再認識しました」と話していた。
(雪国新聞 3月14日掲載)
(雪国新聞 3月7日掲載)