五穀豊穣家内安全を祈り大般若会     南方稲荷尊大祭

南魚沼市上野の臨済宗 関興寺の裏山にある南方稲荷で7日、恒例の「南方稲荷大祭」が行なわれた。梅雨の晴れ間となったこの日、家内安全や諸願成就を祈願しようと多くの地元住民をはじめ参拝者が訪れ、南方稲荷宮内では、杉岡明全住職と8人の僧侶による大般若会(大般若経典六百巻転読)が厳修され、餅捲きや抽選会などが行われた。また、群馬県沼田市「薄根ふるさと太鼓」の迫力ある演奏が山々に響き渡り祭りを盛り上げた。

9人の僧侶による大般若会厳修(大般若経典六百巻転読)=7日、関興寺裏山の南方稲荷宮

南方稲荷尊天とは、上杉謙信亡き後、御館の乱(景勝と景虎の家督争い)で、景勝公苦戦の知らせで駆けつけた渡邉藤兵衛が十文字の槍を操り、迫り来る敵を次々と蹴散らして勝利へと導いた。論功行賞の際、渡邉藤兵衛の身元を八方捜したが見つけることが出来ずに諦めかけていた時、関興寺裏山にある稲荷の祠の前に脱ぎ捨てられた粗末な武具が発見された。景勝公は、その祠が居城より南方の方角あったことから「南方稲荷尊天」と篤く尊崇し新たに社殿を建立し、長く帰依したと伝えられている(=関興寺談)。

大般若会厳修を終えた僧侶たちによる餅捲き

地元、上野の星野守さん(69)は「昨今、この地域も子供たちが少なくなったが、伝統ある南方稲荷を地域全体で守り、引き継いでいかなければと思う」と話していた。

また、関興寺では8月31日まで、風鈴まつりを開催。「本堂内で麦茶のサービスと御利益みその試食がありますので是非、癒やしの禅寺・関興寺にお立ち寄りください」と話している。問い合わせは、南魚沼市上野267 電話025−783−2111。

約300個の風鈴がお出迎え=関興寺総門前

(雪国新聞 7月19日掲載)