前年に結婚した新郎を胴上げして祝福する、新春恒例の伝統行事「婿の胴上げ」が1月6日夜、南魚沼市六日町の八坂神社で行われた。
婿の胴上げは約450年以上前、当時の坂戸城主、長尾政景公が城下繁栄のために婿養子を祝い励し、農兵を育てるために始められたといわれている。南魚沼市六日町の上町地区内で前年度に結婚した夫婦を招いて新郎の胴上げが行われてきたが、地区内の若者の減少にともない結婚する若者も少なく、近年は同地区のみならず対象地区も広げられて行われている。神社境内にかがり火が焚かれ、多くの参拝者が訪れるなか本殿では、昨年結婚したクランマチューさん(30)と遥子さん(33)。佐藤大海さん(28)と美知花さん(26)の新婚夫婦2組が地域住民らに見守られて神事が行われた。新郎新婦に御神酒が振る舞われ、氏子らの祝い歌が終わると、太鼓の合図で新郎2人は順番に天井に届かんとばかりに何回も宙に舞った。長岡市在住で証券会社に勤務する、佐藤大海さんは「私の人生で体験したことがない胴上げは、貴重な体験だった」と話していた。佐藤さんは、上町1丁目で生まれ育った妻の未知花さんと結婚したことからこの日、手荒い祝福を受けた。また、六日町上町2丁目在住の外国語指導助手でフランス人のクランマチューさんは「元々、日本の文化に興味があったが、伝統行事に参加できてよかった」と感激していた=写真=。クランマチューさんはオーストラリアで妻の遥子さんと同居していたが、コロナ禍のために約3年間、離れ離れとなったが昨年、晴れて入籍した。
(雪国新聞1月26日号掲載)