地域創造誌『Tsurugi [剣]』 第33号
南魚沼に映像クリエーターの新星登場! TOHOシネマズ学生映画祭でグランプリ 南魚沼市関出身 扇子裕介さん
映画・映像産業で活躍する人材を世に送り出す、プロになるための登竜門となる「TOHOシネマズ学生映画祭が、東京都千代田区有楽町のTOHOシネマズ日比谷で開かれ、南魚沼市関出身(現在TBS SPARKLE所属)の扇子裕介さん(21)が作品「RESTART御社を攻略せよ」が見事、ショートフィルム部門グランプリを受賞した。

扇子さんは、小学5年生の誕生日に父親からパソコンをプレゼントされてから映像制作に目覚め、中学生のころから旧上関小学校の卒業記念DVD制作に参加。柔道推薦で帝京長岡高校に進学。部活動と並行して映像制作活動を続け旧上関小学校の「閉校記念」DVD制作にも携わるともに地元で映像制作に関する講演も開始。日本工学院専門学校に進学と同時に、上京後も旧上関小と石打小が統合した石打小学校の統合記念、運動会ダイジェスト映像「シン・イシウチ」を制作・上映。さらに「スーパーヒーロー」がテーマの映像コンテストで最優秀賞受賞(ベネッセ教材に採用)を受賞している。また、石打小学校の卒業DVDにVFXや3DCG技術を本格導入し、23年には無人航空機操縦士(ドローン)の国家資格も取得。石打小6年生を対象に「映像を浴びる会」講演会を開催。東映アニメーションとタッグを組み「銀河鉄道999」のミュージックビデオ制作には企画から制作、完成まで一人で担当し、横浜スタジアムの大型ビジョンで上映され、優秀作品に選ばれている。24年に、「不適切にもほどがある!」や「グランメゾン東京」などを手掛けるTBS SPARKLEに所属が決まった扇子さんは、今しかできないことを全部やろうと心に決め、さらに勉強と制作に励むと決意。半年間、宣伝会議コピーライター養成講座を受講し、課題で「金の鉛筆」5本を受賞。卒業課題(サイクルベースあさひのキャッチコピー)が実際に広告も採用されている。専門学校在学中も、東京と実家の南魚沼を行き来する生活を続け、石打小学校の修学旅行引率撮影や運動会プロモ映像の制作も行い、専門学校の卒業制作では石打小学校全面協力で「就職活動」をテーマに、東京と南魚沼を舞台にした作品を制作した。そして、東京都千代田区有楽町のTOHOシネマズ日比谷で3月27日に開催された「第18回 TOHOシネマズ学生映画祭」で、全国から200点以上の応募作品のなかから扇子さんの作品がショートフィルム部門の上位6本に選出され、上映後の最終審査で「RESTART御社を攻略せよ」が見事、ショートフィルム部門グランプリを受賞した。最終審査時の扇子さんは「石打小6年生から卒業式の日に贈られた名前入りのペンを、お守りのように胸に忍ばせて受賞に臨んだ。受賞の瞬間、自然と子どもたちの笑顔が思い浮かび、感謝の気持ちで胸がいっぱいになった。美大や芸大の強豪チームを破った下剋上だった」と振り返る。
また、石打小学校の卒業DVDについては「日本最高峰のクオリティーだと思っている。また、集大成となる25年度版=写真=では、驚きと感動で子どもたちに恩返しをしたいし、石打小学校以外の方々にも是非観ていただきたい」と話す。

現在、TBS SPARKLEに所属する扇子さんは「時代に新たな風を吹かせる物語を創り続け、母校、塩沢中学校でも、いつかは映像講演もしてみたいし、ふるさとへの恩返しは、まだ始まったばかり。創るか死ぬかの人生は、大好きな山崎貴監督や新海誠監督のように、人の心を震わせる映像監督を目指したい」と熱く語る。
映像クリエーターは、南魚沼にとっても地域の魅力をダイレクトに伝えることができるため、観光客増加、移住促進、地域全体の認知度向上、地域活性に貢献できることから、地域の映像業界のみならず行政なども含む各方面からは「新たな本物の映像クリエーターの登場」で、今後の扇子裕介さんへの活躍に期待が寄せられている。

(雪国新聞 5月30日掲載)
花岡山を美しい里山に! 関興寺で桜の植樹会
「境内に広がる花岡山を桜と紅葉の美しい里山にしよう」と南魚沼市上野の関興寺で、昨年に続いて地域住民や檀家、関係者らがシダレザクラ1本、ソメイヨシノ6本の植樹を行った。
植樹会の前には、日本海戦120年・太平洋戦争終戦80年「関興寺戦没者追悼式」が本堂で行われ、戦没者への祈りとともに平和を願って手を合わせ、ソプラノ歌手の天野聡絵さん、ピアノ門真帆さんによるミニコンサートも行われ、杉岡住職が事前にリクエストした、ドラマ「坂の上の雲のエンディング『Stand alone』」からアンコール曲「ダニーボーイ」まで全8曲を披露。

引き続き、行われた桜の植樹会では、杉岡明全住職、林茂男市長、伊藤園の経澤部長らがシダレザクラを植樹し、地元の小中学生がソメイヨシノ6本の植樹を行った。株式会社伊藤園は、2019年2月「お~いお茶」発売30周年を記念し、桜エールパッケージの売上金の一部を桜の植樹や保全活動に寄付する「お~いお茶『わたしの街の未来の桜プロジェクト』を実施。公益財団法人日本さくらの会と協同して全国各地で桜の植樹・保全活動を行っており、今年4月までの累計植樹本数は1548本となっている。

昨年に続いて2回目の植樹を行った、石打小学校3年の林旭さん(9)は「今回も友達と仲良く植えることができた。去年、植えた桜も今日、植えた桜も大きく育つのが楽しみ」と満足顔だった。

(雪国新聞 5月23日掲載)
法音寺平成蔵の収納作品を展示 第2回南魚沼の画家展 トミオカホワイト美術館

南魚沼市上薬師堂のトミオカホワイト美術館で、開館35周年記念「第2回南魚沼の画家展〜繁城山法音寺 平成蔵収納作品より〜」が開催されている。
南魚沼市藤原の繁城山法音寺には、第75世、前住職の鈴木快秀さん(81)が、郷士で育まれた芸術を後世に残し、その作品を多くの方に見ていただきたいとの想いから2019年、同寺に近い檀家にあった土蔵を譲り受けて境内に移転し、平成蔵と名付けた。
4月26日の「作品解説会」では、展示17 作品の作家7人が自ら解説し、ほかの作品については南魚美術協会顧問の永井昭司さん(89)、同協会副会長の門井直子さん(53)が解説。訪れた市民や美術愛好家らは各作家の解説に耳を傾けた。
偶然来館したという南魚沼市石打の岡村綏子さん(80)は「富岡作品のファンで時々、来館しているが丁度、作品解説会も開かれていて地元作家の作品も鑑賞できたのでよかった。17作品のうち、個人的には南雲和夫さんの作品『風を感じて』が好きですね」と笑顔で話していた。昨年、「市制20周年記念・初蔵出し作品展でも、17人による17作品が展示され、今回の「第2回・南魚沼の画家展」でも洋画16点、日本が1点の17作品が、富岡惣一郎作品とともに6月17日まで展示されている。前住職、鈴木快秀さんは「第3回目も開催できればと思っている。『平成蔵』に収納している郷土の作家たちの力作を同展で、より多くの皆様に見ていただきたい」と話している。問い合わせは、トミオカホワイト美術館、電話025(775)3646まで。
(雪国新聞 5月19日掲載)
桜満開の関興寺でシルクロード音楽満喫
残雪を背景に桜も満開の南魚沼市上野の関興寺で27日、「お寺でシルクロード音楽〜アフガニスタン」コンサートが開かれた。

同コンサートでは、アフガンミュージックのユニット「ちゃるぱーさ」の佐藤圭一 さん(65)、やぎちさとさん(51)とバーンスリー、シンギングボウルの寺原太郎さん(56)ほか、Vesma(西域舞踊)、Amara(西域舞踊)、Kar Danslari&西域音楽旅団が、美しく伝統あるアフガンミュージックの演奏と踊り20曲を披露し、約200人の来場者を魅了した。

アフガニスタン音楽ユニット「ちゃるぱーさ」は、同アフガニスタンの代表的な打楽器ラバーブを弾く主宰の佐藤圭一さん。歌、打楽器担当の妻やぎちさとさんが、2007年に結成。日本で唯一のアフガンミュージシャンで、これまで全国で数百回のコンサートを行い2010年、カルザイ元大統領の来日時や、19年に現地で殺害された中村哲医師をしのぶ会などでも演奏している。
南魚沼市石打の野上好枝さん(69)は「シルクロードを通って中国に伝わり日本にも伝来した仏教。そして、関興寺でのコンサート。歴史、文化、音楽、人と人など、いろんな意味で『縁』を感じた」と感動していた。また、歌と演奏を披露した、やぎちさとさんは「曾祖父が堀之内村長を務め、父までは堀之内生まれで南魚沼とも縁がある。関興寺からの山、雪、桜がある景色は、雪が降るアフガニスタンと似ている。春になると雪解け水が台地を潤し、花を愛でるのはアフガニスタンも同じ。怖いと思われるアフガニスタンには、素晴らしい歌、踊りがあることを感じていただければ」と話していた。

(雪国新聞 5月19日掲載)
巻機山を背に こいのぼり 滝谷農村公園

雪解けが進む巻機山を背に、南魚沼市滝谷の滝谷農村公園では、色とりどりのこいのぼりが飾られ、訪れる人々の目を楽しませている。
2011年に発生した水害を機に13年から、地元の「上田郷自然をはぐくむ会」(阿部久夫会長)が中心となり、河川の安全を願うとともに子どもたちの成長を願って毎年行われている。21日には、地元の小学生や住民ほか市内のボランテイアら約100人が参加して飾り付け作業を行った=写真=。
作業に参加した上田小学校PTA副会長、髙村厚さん(42)は「上長崎保育園が閉園になる時に私が保護者会長だった。その時に、園児らと作った鯉のぼりも泳いでいるので是非見ていただきたい」と話していた。また、上田小学校6年の運営委員長、貝瀬琉依さん(11)は「今日はみんなで協力し、テキパキと作業ができた」と満足顔だった。この日、飾り付けた約100匹の「こいのぼり」がは、6日まで楽しめる。上田郷自然をはぐくむ会、副会長の長谷川政一さん(66)も「家族、友達、親戚も誘って、みんなで優雅に空を舞うこいのぼりの姿を見にきてほしい」と話している。

(雪国新聞 5月2日掲載)
メダカ愛好家でにぎわう 南魚沼めだかベース周年祭
県内外のメダカ販売店20店が出店し、展示販売する「南魚沼めだかベース周年祭」が南魚沼市泉の南魚沼めだかベースで開かれ、約300人のめだか愛好家が来場した。時折、雨が降る肌寒い天気のなか会場では、展示販売をはじめ、希少品種が当たるメダカくじやメダカすくいなどのイベントを楽しみ、愛好家同士が情報交換やメダカ談義に花を咲かせながら交流を深めていた。

南魚沼めだかベースは、店長の井口サヤカさん(45)の趣味が高じて2020年4月にオープン。約80種類以上のメダカを飼育し、品種改良も行っており、特に3色・紅白系のメダカの繁殖を得意としており、市内浦佐の「あぐりぱーく八色」でもメダカや餌の販売をしているほか、多くの県内外のイベントにも参加している。井口さんは「この地域ではまだ、メダカ愛好家は少ないが、メダカの魅力をより多くの皆様にお伝えできればと思っている。天気の良い日は、店舗前にテーブルとイスを出してお待ちしていますので、メダカ愛好家をはじめ、これから飼育したいと思っている皆様も気軽にご来店いただき、一緒にメダカ談義に花を咲かせませんか」と話している。
営業は、毎週土・日、祝日のみ(午前10時〜午後5時)。問い合わせは、南魚沼市泉甲61−8、電話090(7177)8039まで。


(雪国新聞 4月25日掲載)