2月6日に亡くなった世界的指揮者、小澤征爾さんを追悼するコンサート「小澤征爾氏追悼の夕べ」が4日、南魚沼市上野の関興寺で開かれた。
1993年、小澤征爾さんとチェロ奏者のロストロポービッチさんがキャラバンを組み、関興寺でコンサートを開催した。それから31年経ち、小澤さんが亡くなった頃に、片付けをしていた杉岡明全住職(59)が、小澤さんらが書いたサイン色紙が出てきたことで「仏縁を感じ」今年の妙音チャリティーコンサートで小澤さんの追悼演奏会を開きたいと思案していた時に林茂男市長からの声掛け、新日本フィルハーモニー交響楽団、十日町市のピアニスト田口好世(たかよ)さんらの協力で同追悼コンサートが実現した。
演奏前に、今回の第12回妙音チャリティコンサート(小澤征爾氏追悼の夕べ)売上の一部5万円が、杉岡住職から南魚沼市社会福祉協議会に贈られた。高野武彦会長は「地域の福祉活動事業を通じて大切に活用させて頂きます」と感謝のことばを述べた。
引き続き、新日本フィルハーモニー交響楽団のメンバー4人が、バッハ「G線上のアリア」、モーツァルト「ディベルティメントK.136」「アイネ・クライネ・ナハトムジーク ト長調 K.525」ほかハウルの動く城のテーマ曲「人生のメリーゴーランド」などを演奏。約220人の来場者を魅了した。
奏者に花束を贈呈した南魚沼市上野の大学生、笠原未帆さん(22)は「今日は弟、裕樹(12)と花束の贈呈をさせていただき光栄に思う。そして、やさしい音色(演奏)を聴かせていただき心まで癒やされた」と感激。同じく、田中陽花里さん(13)と宮澤菜乃さん(14)も「心こもった演奏に感動した」と話していた。
また、南魚沼市下一日市の清水紀美子さん(64)は「31年前の夏、関興寺での小澤征爾さんのコンサートも聴きに来ました。今夜は、新日本フィルメンバーによる追悼の素晴らしい演奏に当時を思い出しながらしみじみと聴かせていただきました。当時、11月に生まれた3人目もお腹の中で聴いていたようです」と話していた。
(雪国新聞 10月25日掲載)